こんにちは、なかたにです。
先日、夫婦のコミュニケーションについてこんな記事を書いたのですが、

これを書きながらふと「そういえば夫が家事や育児をしてくれたときにする声掛けって、何が一番ベストなんだろう」という疑問が生じ、実際に聞いてみたんです。
するとその答えは、わたしの予想に反した言葉でした。
意外だなぁと思っていたのですが、後日読んだアドラー心理学の本にきちんと根拠が書いてあってとても納得したんです。
今回はそんなアドラー心理学のお話もまじえながら、夫にどんな声掛けが一番やる気がでるのかを聞いてみたお話をしようと思います。
Contents
一番やる気が出る声掛けは?夫に聞いてみた
「ありがとう」「すごい」「さすが」いろいろ言うけれど
わたしは普段から夫が何か家事や育児をしてくれたときなど、感謝の言葉を言うようにしています。
それに対して夫はいつも喜んでくれている(ように見える)のですが、特に嬉しい・やる気が出る言葉は何なのかということをストレートに聞いてみました。
その答えがこれです。
「うーん、『嬉しい』とか『助かった』とかかな。」
その理由は?
ちなみに理由を聞いてみると、
- 喜んでくれると嬉しい
- またやってあげようって思う
- 「すごい」も嬉しいけど、またやろうって思う気持ちは薄い
とのこと。
わたしにとって特に意外だったのが、2つめと3つめの答え。
「嬉しい」や「助かった」だとまたやってあげようと思うけど、「すごい」だとそうは思わない。
てっきり逆だと思っていたんですよね。
わたしの予想は「すごい」だった
わたしはてっきり、「すごい」が一番嬉しいものだと思っていたんです。
だって、女性誌の特集とかで「男の人を喜ばすには『すごい』『こんなの初めて!』という言葉が効果的」みたいなやつをよく見るじゃないですか(笑)
どうやらそうでもないらしいです。
不思議だなぁと思っていたのですが、後日読んだアドラー心理学の本にその理由が書いてあったので、ご紹介しますね。
アドラー心理学の「ほめる」と「勇気づけ」の違い
アドラー心理学とは
そもそもアドラー心理学ってどんなものか、みなさんご存知ですか?
アドラー心理学(アドラーしんりがく、ドイツ語: Individualpsychologie)とは、アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)が創始し、後継者たちが発展させてきた心理学の体系である。(中略)
アドラーが自分の心理学について個人心理学と呼んだように、アドラー心理学では、個人をそれ以上分割できない存在であると考えることから、人間の生を、個人という全体が個人の必要な機能等を使って目的に向かって行動している、というふうに考えている。より具体的には、人間は相対的にマイナスの状態(劣等感を覚える位置)から、相対的にプラスの状態(優越感を覚える位置)を目指して行動している、と考えている。
ここに書いてあるとおり、アドラー心理学は、人はマイナスの状態からプラスの状態を目指して行動していると考える心理学なんです。
子育てや人間関係、部下指導などにとても効果のある心理学と言われています。
「ほめる」と「勇気づけ」の違いは
アドラー心理学の中には人間関係に役立つ理論や概念がたくさん出てくるのですが、そのうちの1つが「勇気づけ」という概念です。
「勇気づけ」とは何かということですが、これは一言でいうと「困難を克服する活力をあたえること」。
アドラー心理学では、「勇気づけ」とわたしたちが普段行っている「ほめる」ことの違いを説明してくれた上で、相手に対してはほめることよりも勇気づけを行うことが望ましいと唱えています。
具体的な違いはこのようになっています。
ほめる | 勇気づけ | |
関心 | 与える側の関心 | 与えられる側の関心 |
態度 | 一種のごほうびとして上から下への関係として与える態度 | ありのままの相手に共感する態度 |
対象 | 行為をした人に与えられる | 行為に対して与えられる |
印象 | 口先だけだと受け取られない | 心からのものであると相手に通じる |
継続性 | その場限りの満足感を刺激するため、明日への意欲が生まれにくい | 明日への意欲を生み、継続性が高い |
「人生が大きく変わるアドラー心理学入門」より抜粋
これを見ると、「ほめる」というのは一見良い言葉に見えるのですが、実は上から目線で下の者に対して言う言葉であり、言われた相手はほめられないとやらない、ご褒美がないと動かない、というようになってしまう可能性を含んだ言葉だということがわかります。
一方で「勇気づけ」は、同じ目線で相手に共感して発する言葉であり、そのあとも継続して自分から動いてくれるようになるというアプローチ方法です。
アドラー心理学を踏まえて夫の意見を考えてみる
このアドラー心理学の考え方と先ほどの夫の答えを紐づけて考えてみると、とても納得がいきました。
確かに夫は、
- 「嬉しい」「助かった」だとやる気がでる、またやってあげようと思う
- 「すごい」は嬉しいけどまたやろうという気持ちは薄い
と言っていました。
まとめ
今回はアドラー心理学のお話も交えて、一番やる気が出る声掛けについて夫に聞いてみたお話をしました。
もちろん、まずは言葉にこだわらず実直に感謝の気持ちを伝えることが大切だと思います。
その中で、より相手に響くにはどんな言葉が適しているのか、ということも考えてみると、また違ったコミュニケーションの形が見えて面白いのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!
「人生が大きく変わる アドラー心理学入門」 岩井俊憲